占い師あるいは占いマニアから、『どうやったらそんな解釈になるんだッ!』と驚きと困惑そして嫉妬に満ちたツッコミの洗礼を受けてきました。私の場合、論理根拠というより、どちらかというと経験則での判断が大半をしめています。したがいまして、なぜそのような解釈になったのかという論理的説明は甚だ困難です。
四柱推命を学ぶにあたり、師匠の実占鑑定現場に同席したり、例題をあげながらの直接解釈の講義をきいたりして、車の運転でいうなればいきなり車の動かし方を教わったようなもので、どんなメカニズムで車が走るかしらないけれど、とりあえず車は運転できる、といった感じなのです。
師匠から命式の出し方を一時間くらいでちゃっちゃと教えてもらって、そのあとスグに命式解釈の講義、というか口伝……初めからいきなり解釈から入ったものですから、論理は後付です。
言葉で説明するのはとても難しいのですが、あえて言語化すれば
混色された色を因数分解する……
シンセサイザーの音の合成……
また、様々な波形から合成された音を分解する……
周波数が違う波の合成波、三角波とか矩形波、正弦波の合成波を合成前波形に分解するような……
そんな解釈(作業)を頭の中でしているようです。
たとえば、日干戊・月干辛:通変傷官の場合。音源でいうと、のこぎり波(sawtooth wave)、鋭いブラスのイメージが飛び込んできます。
五行干支の生剋化制はいわば波の合成のような感じでしょうか。
物理的な波の合成がロジカルに説明できるのは、それぞれの周波数が決まっているからです。したがって、それを四柱推命解釈に応用するとすれば、干支ごとに周波数・定数(のようなもの)を決めればいいのです。
しかしながら、実際の解命では、占者が与えるパラメータによって変化する(しかもパラメータ自体がケースバイケースで変化する)ため理論がとてつもなく複雑になることが類推されるわけです。
机上理論であれば、『解』は明確です。しかし実占で、そうはいきません。なぜなら、机上理論から導き出した『解』をそのまま相談者に伝えても意味がわからないからです。
たとえば、こんな感じ……
男命/日干:壬水の解
壬水は川や海の水の如し、流れに極まり無し。干支に壬水多く有れば他の干に害を与え、己土に遭えば壬水自身傷付く。壬水身旺にして財無き場合、凶なり。即ち、
一、壬水強過して他干に災い与う。二、壬水己土を非常に畏れる。三、壬の強き場合、丙火を必要とす。壬水、戊土を尅すのみにて利無し。然れど戊土、壬水を制すること可也。壬水、己土互に相尅し利無し。壬水、庚金洩し又庚金壬水を生ず。然れど壬水の力より大きく作用す。
こんな内容を現代文に直して伝えたとしても、相談者にとって何がなんだかさっぱりわかりません。占者が『解』を自分のコトバで意訳してはじめて相談者が理解できるようになるのです。
私の場合、『解』はロジックではなくイメージで飛びこんでくるので、それを言語化する作業が実占での重要なポイントになります。したがいまして、鮮やかな解命理論を望んでいる方には申し訳ありませんが、龍青三の占術理論は全くお役に立ちません。
参考まで上記『男命/日干:壬水』実際の鑑定文をご紹介します。
2007年:某コミュニティサイト『解命研鑽・研究トピック』に投稿したものです。命式を通じで飛び込んでくる『解』のイメージを、龍青三のフィルターを通して恣意的に言語化した内容を以下に示します。
年 甲子
月 庚午
日 壬申
時 戊申
明るく社交的、束縛を嫌い自由を愛する。
誰がなんといおうがわが道を行く。
強引ぐ舞、ウェ~ィ(よしを
初対面の人があなたを(見た目)で評価、判断するとすれば、「おおらかで、やさしくて、心配りが出来て、礼儀正しくて、誠実」そうに見えます。つまり、「いい人」っぽく見えるのですが……
ところがどっこい、根は頑固一徹!人の話など聞きません。人に相談することはありません。ただし、世渡りのためには、相談するポーズ、人の話を聞いている、ポーズはするでしょう。たとい相談のポーズはとったとしても、しっかり自分の中に答えをもっているのです。つまり、自分の中に一本筋がとおった絶対曲げることのないものを持っているのです。
なので、これからも人の意見に影響されて自分の道を曲げていくようなことは性分にはあっていません。しかしながら、内面はとても繊細な神経を持っています。多趣味で、無邪気な(こどもっぽい)ところがあり、それが魅力でもありまた欠点にもなります。
基本的には素直で天真爛漫で楽天的なのすが、気分にムラがあり、自己管理が多少ルーズになりやすい傾向にあり、飽きっぽく心変りしやすい処もあります。またあいまいな表現にも気をつけないと、「言った言わない」のトラブルに巻き込まれやすいので注意が必要です。
理論派でもあるのですが、実は感情や気分によって言動が左右されやすい。気分がいい時と悪い時の寒暖の差が激しく、それにより運気も不安定になります。平凡を嫌い、夢を見る所があるので希望と現実が合わず、挫折したり、またその為に誤解されたりすることもあるでしょう。
幼少の頃は人見知りがあったり親に甘えんぼうだったりして、親の手が掛かったりしてひとり立ちするのに時間がかかる傾向にあります。しかし、ひとたび社会に出れば着々と実力をつけて、独立独歩でアウトロー的な個性的(ワンマン)な人となり、人とは違う一風かわった独自路線をつっぱしり、一匹狼的な傾向と個性が顕われやすくなります。それに演技派です。お笑いの才能もバッチリあります。
月干通変の『偏印(倒食)』は学問や芸能、頭脳的な面が強く、内的精神的世界に関心を持つ傾向から思想性や宗教性の強い傾向があらわれやすくなります。放浪性の暗示もある星です。長渕剛が唄う[JEEP]が似合う人です。
数理という意味もあり数字を扱う仕事やコンピュータ等の技術職にも適正があります。少し角度の違う見方をもっているのでアイデアマンだったり、人の気づかない事に気づく才能もあります。
あなたの倒食は四柱組織五行のバランスからみると、そんなに影響はありません。むしろとても良い四柱組織になっています。こういう四柱配置の人は学問芸能の才能があり、どちらかというとサラリーマンとして生きて行くより、才能で生きて行くタイプです。アイデアを具現化して儲けるのがぴったりです。(たとえば、商品開発をして自社ブランドでがっぽり儲けるとか……)
最後に。
余計なお世話かもしれませんが、異性問題は要注意です。
以上、謹んで解命いたしました。
龍青三の実占鑑定スタイル
私は、理論だけで占断しているのではないということは先に申し上げたとおりです。
理論プラスイメージというかビジョンというかインスピレーションというか、そんなものが、びびび、ときましてそれで託宣すべきことをいろんな表現方法(ネット上では文字のみ)でお伝えしているわけでございます。
対面鑑定の場合は、身振り手振り、表情、間、ツッコミ、ボケ、こめかみの血管の膨張具合、声のトーン、物まね、などなど様々な方法で、相談者の方が理解しやすいように伝えております。
ある方から、あなたの鑑定文は抽象的だというご指摘もございました。
た・し・か・に。
そのとおりでして、というより詩的表現といってもらえたら、ちょっぴりうれしかったりなんかするんですけれども、たとえば詩を鑑賞するとき皆さんはどのようにしているかわからないのですけれども、作品の背後には作者の心持ちがひっそりと隠れているわけで、わからない人にはわからないわかる人とにはわかる、そういうふうになっておるのでございますから、人それぞれ好きな詩人やら作品があるとおもいます、
昨今はあいだみつをさんの詩が人気ですけれども私なんかは「にんげんだもの」のこの一言で悟りが開けたくらいです、書いていて脱線しているのがわかってきましたので、元にもどします。ですから、私の鑑定スタイルというのは……
そうそう、命式の背後にイメージがあって、あたかもその絵(イメージ)をみて、相談者に絵の解説をするようなものなのです。
なので、その日の私の【気分】やら【体調】、【腹の減り具合】などによって、表現方法はビミョーに違ってくることがありますし、はしょってしまうこともありまた、抽象的な表現になることがあることは事実です。
ただし。
イメージはそこにあるのですから、解説員(ワタクシ)の説明が拙くてわからないところがありましたら、何度でも何回でもお尋ねになってくださればデテールをあぶりだすことは可能です。
あ、それから、未来に起こることの詳細なんて……
私にはワカリマセン。
わかるわかる未来がみえ~る、とかいう人に聞くしかないとおもいますょ。
[龍青三の弁明より]
コメント