占い依存はやめませう:2007年06月18日
だいぶ前、とあるデパートの占いブースでシノギをしてた時でした。
身なりの小奇麗な見るからに小金もちのご婦人が相談にみえました。
相談内容は、男と女の問題。
ところが、そのご婦人、次の日もあくる日もまた次の日も、同じ時間にピターっと来るようになったのです。
相談内容は、毎回同じことばかり。
簡単にいえば、夫以外に好きな人ができたのだけれども、なんとしても好きになった人とお付き合いしたいということでした。(片想い)
なので不倫問題で悩んでいるわけではありません。
たんなる、恋煩い。
問題でもなんでもない。かわいらしいものです。
中学生か高校生の女子がマーガレットの花びらをちぎりながら、恋占いをするような感じです。
初回は、なんとまあほほえましぃ、少女のようでかわいらしかわいらし、思っていました。ほのぼのとしたかるーい相談でしたから、私もかるーく相性を見て、お互い付き合えるような相性でなかったので、ゼロ円スマイルでもって
「お付き合いできる相性ではないですねぇ」と申し伝えたのです。
そのときは、納得して帰られました。
しかし、次の日も次の日もそのまた次の日も同じことを尋ねるのです。
「いつかお付き合いできる日が来ますでしょうか……」
、と。
私は口をとがらせて、こういい〜ました。(不服があると口がとんがるクセがある)
「相性をみると交際できる相手じゃないんです!ですから占いの判断では交際出来ないとでています。なのであきらめてください!」
しまいにゃ私、自分のトークで興奮してきてついにブチ切れた。
ぴいぴいぴい ぴいぴいぴい ….ブチッ
ポケットベルじゃねぇ〜
「占いの結果はダメと出てるが実際付き合えるかどうかは別問題だ。付き合いできるかどうかで悩むヒマがあったら、実際相手に交際申しこんだらいいんだ!そんなこと占い師ごときに相談することでもねぇだろ!」
ぴいぴいぴい ぴいぴいぴい….ブチッ
ろくなもんじゃねぇ〜
(長渕先輩のパクリ)
いままで蛭子能収さんのような、なんともいえない癒し系のヘタウマな占断トークをかましていたこんな私が、急にナガブチモードになったものだから、そのご婦人は一瞬固まっていました。
けど、蛭子能収さんより長渕剛がタイプのようで、潤むような瞳で訴えてきたのです。
「そうはいいましても、アタクシ、こんなこと誰にも相談できず、占い師さんにしか相談できないと思いまして、それで初めて立ち寄ったこのデパートメントストアで初めて占っていただいた先生のお人柄に惹かれて、もっと深く相談をしたいと思ったンです。誰かに相談できるようでしたら、占い師さんに相談しにこなかったと思うンです。誰にも相談できないからこそ先生に相談したンです……」
この一件で、私はいろんなこと学習したのです。
占い依存する人も問題だけど、依存させるような占い師も問題だ、と。
私の人柄に惹かれて占いをお願いしたという、そのこと自体はありがたく受け止めておきましょう。
自分で言うのもなんですけれど、私龍青三は、かなりお人好しだと自負しています。
だからあの人の好さそうな私ならなんとかしてくれるだろう、と。
日常生活でも、お金貸してくれ〜、と頼まれることがよくあるのです。
昔でしたら、そんなに大変だったら……と思ってお金を貸したものです。
けれど、返してくれなかった(返せない)お方がほとんどでした。
で、そのことで大分もめたことがありました。
今思い出しても震えがくるくらいの怒りが込み上げてきます。
ケ●の●ナから手ぇツッこんで奥歯ガタガタいわしたろか、と何度思ったことでしょう。
貸す時は同情心から、なんとか今の状況から回避できのるならと思って頑張っください!と励ましてお金を貸していたのです。
けれどそういうお方は、マチキンからも借りられないから【貸してくれそうな】&【人のよさそうな】私龍青三を頼ってきただけなのです。
それ以前に、ヤキがまわっているから、お金を借りることしかアタマになくて、何かで稼いでお金を作ろうなんて全く思っていないのです。
なので、借りたお金が他の借金返済(キツイ取り立てのトコロ)や生活費かなんかでどんどん無くなくなっていくのです。
で、約束の日には、だいたいこのような言い訳をするのです。
「すみませんすみません、今、ほっんとうに厳しいんです、うんたらかんたら…」
オノレの大変な状況をまくしてたて、同情かおうとするのです。
しかし、約束は約束。借りたものは返してもらおうじゃないか!と、相手の言い訳とかなんとか聞いててもしょうがない、こんなお人好しに見えるおっさんでもキッツイ追い込みかけまっせ。
けど、しまいにゃ債務者が開きなおるんですな。
「ないものはないんだ!」ってね。
借りるときのあの一生恩に着るような感謝の言葉はなんだったんだ、ってね。
そんな、思い出すだけでも反吐がでそうな嫌な体験を腐るほどしてきたのがこの私です。
※このお話は一部フィクションです。
こんな私の体験は、直接この相談者の件とは関係ないかもしれませんが、
”誰かに相談できるようでしたら、占い師さんに相談しにこなかったと思うンです。”
という反論をきいて、過去私にお金を借りにきた人たちの
「他で借りられるようでしたら、あなたにこのようなお願いはしません」
とこの世の終わりのような顔をして言われたことをふと思い出すのです。
占い師に相談するその相談事というのは、このご婦人のように、かわいらしかわいらし男と女の問題だけじゃなく他にも相談内容はたくさんあることでしょう。
身近なところに心理カウンセラーとかナントカ、心の問題を気軽に相談できる?
そうだんです。
そういう場所や機会や機関がないからこそ私のような占い師のところに相談しにくることは、よおくわかっているつもりです。
問題を抱えている当事者は、他の人からしたら大した問題でなくてもこの世の終わりのように現状が大変に見えるものです。
ですから第三者に感情や先入観を抜きにして客観的冷静なアドヴァイスを仰ぐのは賢明なことです。
その点、なんの先入観も無く事情もわかっていない占い師は適任かもしれませんね。
しかし、日常の現実的なトラブルを回避するのに運命だとかなんだとか、そんなことはあまり関係ないと私は思うのです。
運命だ〜、運勢だ〜いうまえに、ゲンジツ問題としてやることがあるでしょうよ。
と、私は思うのです。
龍青三の占いエッセイ一覧
⇒ https://ryuseizan.com/tag/fortunetelling-essay
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