地雷復(一陽来復、復帰/復興・復縁・反復)
departure:出発/return
次第に運気は上昇せん。
万事順を追って進むべし。焦急短気は慎むべし。
物不可以終盡。剥窮上反下。故受之以復。
物は以て終に尽くべからず。剥は上に窮まって下に反る。故にこれを受くるに復を以てす。
物事は尽きて終わってしまうことはない。剥ぎ尽くされることが最上部まで窮まれば必ず一番下において一陽が生ずる。
新しく物事をやり始めるか、かつてやったことを再び手をつけるかする時にこの卦がでることが多い。
運気はこれからだんだんと盛り上がって行くときだから将来は楽しみだが、そうかといって今はまだ一歩踏み出たところだから何時後戻りするか分からない。油断は禁物である。
しかししり込みしたり躊躇したりすることはさらさら懸念することなく、堂々と前進すべきである。
季節でいえば年の始め、行事でいえば吉祥を立てるときだからたいへん縁起が良い。
しっかりと目標や計画を立てて迷わず、初志貫徹して欲しいもの。
行く先は必ず見通しが明るいのだから、何としても多少時間がかかっても頑張ることが得策である。
[嶋謙州]
剥一転すれば復であります。一陽来復であります。易は極まるところがありません。
万物自然をみますと、秋から冬を迎えて、木の葉は皆剥落します。
いわゆる木落ち、水尽き、千崖枯るという景色になりますが、春を迎えると、再び下から青草が萌え出し、木の芽が出る。
賁、剥すれば復であります。これが復の卦であります。
[安岡正篤]
復。亨。出入无疾。朋來无咎。反復其道。七日來復。利有攸往。
復は、亨る。出入疾なし、朋来りて咎なし。その道を反復す。七日にして来り復す。往くところに利あり。
彖曰。復亨。剛反。動而以順行。是以出入无疾。朋來无咎。反復其道。七日來復。天行也。利有攸往。剛長也。復其見天地之心乎。
彖に曰く、復は亨るとは、剛反るなり。動いて順を以て行く。ここを以て出入疾なく、朋来りて咎なし。その道に反復す。七日にして来り復す、天の行なり。往くところあるに利あり、剛長ずるなり。復はそれ天地の心を見るか。
象曰。雷在地中復。先王以至日閉關。商旅不行。后不省方。
象に曰く、雷地中に在るは復なり。先王以て至日に関を閉し、商旅行かず、后方を省ず。
初九。不遠復。无祗悔。元吉。
象曰。不遠之復。以脩身也。
初九は、遠からずして復る。悔に祗るなし。元いに吉。
象に曰く、遠からざるの復ることは、以て身を修めんとなり。
六二。休復。吉。
象曰。休復之吉。以下仁也。
六二は、休く復る。吉なり。
象に曰く、休復の吉なるは、仁に下るを以てなり。
六三。頻復。厲无咎。
象曰。頻復之厲。義无咎也。
六三は、頻ば復る。厲けれど咎なし。
象に曰く、頻復の厲きも、義において咎なきなり。
六四。中行獨復。
象曰。中行獨復。以從道也。
六四は、中行独り復る。
象に曰く、中行独り復る、道に従うを以てなり。
六五。敦復。无悔。
象曰。敦復无悔。中以自考也。
六五は、復るに敦し、悔なし。
象に曰く、復るに敦し、悔なきは、中以て自ら考せばなり。
上六。迷復。凶。有災眚。用行師。終有大敗。以其國君。凶。至于十年不克征。
象曰。迷復之凶。反君道也。
上六は、復に迷う。凶なり。災眚あり。用て師を行る、終に大敗することあり。その国君に以ぶ、凶なり。十年に至るまで征する克わず。
象に曰く、迷復の凶なるは、君の道に反けばなり。
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